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インプラントを諦める前に知ってほしいこと

インプラント治療を希望された方の中には、「骨が足りないからインプラントはできない」と言われ、治療を諦めてしまった方も少なくありません。しかし現在では、歯を支える骨を再生させる「骨造成(こつぞうせい)」という技術が確立されており、多くのケースでインプラント治療が可能になっています。泉佐野市のくりもと歯科口腔外科では、これまで多数の骨造成とインプラント治療を行ってきた実績があります。インプラントを諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
骨が少なくなる理由
歯を失ったあとのあごの骨は、噛む力の刺激がなくなることで、少しずつ吸収されていきます。これを「骨吸収」といいます。特に次のような理由で骨が不足している方が多く見られます。
- 歯周病による骨の破壊
- 抜歯から長期間放置されたことによる骨の萎縮
- 入れ歯による圧迫や不適合な使用
- 外傷や炎症、先天的な骨の欠損
- 加齢や全身疾患による骨質の変化
こうした骨吸収が進行すると、インプラント体を支えるための土台が不足し、そのままでは安全な治療ができなくなることがあります。
インプラントにおける解剖学的構造
副鼻腔(ふくびくう)
副鼻腔は、鼻の周囲の頭蓋骨内にある空洞(骨の中の空間)で、主に以下の4つがあります。
・上顎洞(じょうがくどう):頬の骨の内側にある大きな空洞
・前頭洞(ぜんとうどう):おでこにある空洞
・篩骨洞(しこつどう):鼻の奥の骨の中にある空洞
・蝶形骨洞(ちょうけいこつどう):頭蓋の奥深くにある空洞
特に「上顎洞(じょうがくどう)」は、上顎の奥歯の骨のすぐ上に位置しており、インプラントを埋入する際に骨の厚みが不足しやすい場所です。骨が薄い場合は「サイナスリフト」や「ソケットリフト」という上顎洞底挙上術を行い、骨の高さを確保してからインプラントを入れます。
下歯槽神経(かしそうしんけい)
下歯槽神経は、下顎骨の中を通る主要な神経で、下顎の歯や顎の皮膚の感覚を支配しています。
下顎の奥歯のインプラントでは、インプラントの埋入深さや位置が下歯槽神経に近づきすぎると、神経を損傷し、しびれや痛みなどの合併症を引き起こす可能性があります。そのため、術前にCT検査で神経の走行を正確に把握し、安全な埋入位置を計画します。
骨造成とは
骨造成とは、不足している部分のあごの骨を再生・補強し、インプラント治療を可能にするための外科的処置です。
骨の量が十分でない場合でも、骨造成を行うことでインプラント体をしっかりと固定できる土台が確保され、治療の成功率が高まります。
骨造成の主な方法と特徴
骨造成には様々な方法があり、それぞれに特徴があります。当院では、患者様の状態にあった治療方法をご提案させていただきます。
GBR法(骨再生誘導法)
骨が足りない部分に「人工の骨」や「ご自身の骨」を入れ、その上から専用の膜(メンブレン)でおおって、骨が再生するのを待つ方法です。小さな範囲の骨不足によく使われ、比較的負担が少ない方法です。
サイナスリフト
上あごの奥の歯の上には「上顎洞(じょうがくどう)」という空洞があります。ここに骨を足すことで、高さの足りない部分にインプラントを入れられるようにします。骨の高さがとても少ないときに必要な処置です。
ソケットリフト
サイナスリフトよりも骨が少し残っているときに使える方法です。骨の厚みを少し押し広げて、上顎洞の下に骨補填材を入れます。サイナスリフトよりも体への負担が少なく、同時にインプラントを入れることができます。
スプリットクレスト(歯槽堤分割術)
あごの骨の幅がとても細い場合に行います。骨の真ん中を少しだけ広げて、インプラントを入れるスペースを作ります。慎重な手技が求められるため、専門的な技術と経験が必要な処置です。
自家骨移植(ボーンクラフト)
患者様ご自身の骨を別の場所(たとえばあごの奥)から採って、骨が足りない部分に移す方法です。重度の骨不足の場合でも対応でき、骨とのなじみも良い方法です。
ソケットプリザベーション
抜歯をしたあと、放っておくと骨がどんどんやせてしまいます。抜歯した直後の穴に人工骨などを入れておくことで、骨が減るのを防ぎます。将来インプラントを入れる予定がある方におすすめの処置です。
骨造成のメリットと注意点
骨造成のメリットと治療の注意点は以下になります。
メリット
- 十分な骨を確保することで、インプラントの安定性が高まる
- 見た目や噛み合わせのバランスが整う
- 治療の適応範囲が広がり、他院で断られたケースにも対応できる
注意点
- 治療期間が延びる(再生までに4〜6か月ほど必要)
- 外科処置による腫れや出血が一時的に起こることがある
- 喫煙や糖尿病など全身の健康状態によっては制限がある
治療にあたっての心がまえ
骨造成は、身体に対する負担を伴う治療のため、事前の診断・説明・同意(インフォームドコンセント)が特に重要です。泉佐野市のくりもと歯科口腔外科では、CT撮影を含めた精密な診査のもと、骨の状態や全身の健康状態を慎重に評価し、最も安全な方法をご提案しています。不安を感じられる方には、静脈内鎮静法によるリラックスした環境での手術にも対応可能です。治療の内容だけでなく、手術時の負担軽減についてもご相談いただけます。
インプラント治療の可能性を広げるために

骨が少ないと診断されたとしても、必ずしもインプラントを諦める必要はありません。近年の再生医療の進歩により、多くの方がインプラント治療を受けられるようになっています。泉佐野市のくりもと歯科口腔外科では、骨造成とインプラント治療に関する豊富な経験をもとに、一人ひとりの状況に合わせたオーダーメイドの治療を提供しています。泉南市、阪南市、貝塚市、岸和田市などからも多くの患者様が来院されています。「骨がないから無理」と思われた方も、まずはお気軽にご相談ください。